木工塗料·特殊塗料·UV塗料の製造/受託/中間原料の加工充填

寿化工株式会社

KOTOBUKIKAKOU CO.,LTD.

Q&A

Question and Answer
カテゴリー: 木固めエース

木固めエース(プレポリマー)は、天然木の木質強化を目的として開発された含浸性ウレタン塗料です。木材の導管に沿ってしみ込む性質があるため、合板やMDFへの効果は見込めません。また木固めエースに含まれる溶剤が合板に使用されている接着剤を溶かしてしまう可能性もあるため、推奨しておりません。

木固めエースの乾燥・硬化後の塗膜硬度は鉛筆硬度で表記した場合、F前後です。針葉樹用のプレポリマー(PS No.1000)の鉛筆硬度はF~H、広葉樹用のプレポリマー(PS No.2000)の鉛筆硬度はB~HBです。エステロンカスタムDX(2液型の専用ウレタン塗料)の鉛筆硬度は2H前後です。

プレポリマーとエステロンカスタムDXは、もともと学校給食器用に開発した塗料のため、食洗機を使った熱湯洗浄は可能です。ただし、十分に乾燥させた木地を使うこと、木固め剤を十分に含浸させていること、目止め・中塗り・仕上げ塗りの工程が手抜きなく行われることが前提です。

針葉樹と広葉樹、広葉樹でもケヤキやナラのような環孔材とメイプルやブナのような散孔材かで、使用量が大きく変わります。例えば、スギの普通材(白太でない部分)を3回塗りで仕上げると、約1.6平方メートルを施工できます。同じ条件でヒノキは約1.5平方メートル、ケヤキは約1.8平方メートルが目安です。

実際は液剤をこぼしたり、刷毛や拭き取りに使う布に吸収されたりしますから、歩留まりを90%前後と見込んでください。1回塗りの場合、計算ではこの3倍塗れることになりますが、しみ込む量は1回目が一番多く、2回目、3回目は減りますから、平均して2倍前後と考えてください。

適切に乾燥された木材であれば、一定の効果が見込めます。木固め剤が浸透するのは、木の表面からコンマ数ミリ程度です。木材は完全に乾燥させても湿度の変動でわずかに伸び縮みします。木固め剤が防げるのは、この微小な狂いだと思っていただくとよいでしょう。生木の狂いを抑え込むほどの強力な効果はありません。当会では含水率8-15%の木材に使用することを推奨しています。

木固め加工を施すことで木材の内部に水がしみ込みにくくなるので、多少の効果は見込めます。ただし、表面に汚れや水分を残したまま、高温多湿なところに放置すると、木固め加工をしていてもカビが生える可能性は十分にあります。

竹の表皮は油分が多く、木固め剤をはじいてしまうため効果がありませんが、白い肉質部分には一定の効果が見込めます。ただし、竹のしなやかさは失われてしまいます。

家具、楽器、玩具などほとんどの木製品に使えます。変わったところでは木製スピーカーの筐体、渓流釣り道具(ランディングネット)の耐水塗料としても使われています。楽器の例としては、オーストラリアのアボロジニー族が使う巨大な笛に塗った方から「ひびが入りにくくなり、音色がとてもよくなった」という報告がありました。表面が硬化することでよく響くようになるようです。ただし、音色は好みがありますので、すべての楽器に当てはまるかどうかはわかりません。

木固めエース・プレポリマーは、空気中のわずかな水分とも反応して硬化する性質があります。未開封であっても使用期限目安が約1年半と短く、量販店から販売を敬遠される傾向にあります。このため、一部の専門店をのぞき実店舗での販売は行っていないのが現状です。

専用シンナー(うすめ液)には、木固めエース用とプレポリマー用の2種類があります。どちらもウレタン系のシンナーで、シリーズ品との相性を考えた組成バランスになっています。専用シンナー以外で木固めエースやプレポリマーを希釈したり、余分な塗料の拭き取りに使うと、凝固や白濁が起こったり、乾燥後も表面がべたつきが残ることがあります。とくにアルコール分を含むラッカーシンナーの使用は避けてください。塗膜強度が保たれず、すぐに剥離してしまいます。